第39食 見目麗しい楽屋めしの面構えと老若男女を楽しませる店舗構え  赤坂うまや新宿店

東京都

今日行く店は絶対に決めてあるのだ。あれこれ目移りしてしまう私が絶対とまで言い切るのは珍しい。
何しろこちらへの来店にチャレンジするのは三度目、なのである。

行き先は「赤坂うまや新宿店」。一度目は、どこか適当に入ってしまおうとフラフラしていた所「三代目 市川猿之助の楽屋めし」なる道端の看板に目を奪われてしまった。
なんでも猿之助さんの楽屋に届くお弁当をアレンジしたとの事。うーむ。美しい。しかも大好物の小鉢連打系である…。
しかしその日はあいにくそこまで空腹ではなく、このようなご馳走をいただくのはいささか申し訳ない気持ちになり先送りしてしまった。

ありません?ランチ選びで、その場で飛び込んでおけば良かったと、後悔する事って…。

まんまと後悔した私は未練たらしく食べログのメニューなどチェックしながら、用事のついでに二度目の来店を試みた。が、あいにくその日は時間が合わず又も来店の機を逃してしまったのであった。

で、そんな事も忘れて幾年月が経った頃。又近くに行く用事ができ、今度こそはと来訪させていただいた次第である。

三寒四温の寒の方の日。小雨。読み通り用事を終わらせて11:30頃来店の、我ながらベストタイミング。
店に近づくとあらら?入り口の横に数名の皆様がいらっしゃる。もしや行列…?でも、店内はガラガラである。試しに入って店員様に尋ねてみると、どうやら行列ではなかったようで普通に席に通していただけた。
びっくりしたー。一瞬、四度目も来店叶わぬかと思ったー。良かった。

入り口が見えるカウンター席に陣取った。天井高はそこそこあると思っていたが思った以上の解放感である。なんだかすごく綺麗だし。

なんだかすごく、和テイスト。

オーダーはもちろん、「猿之助さんの楽屋めし」である。オーダーしている間にもひっきりなしに入店があり、あっという間に7〜8割方満席になってしまった。先ほどの団体様も待ち合わせで揃ってから入店されたようだ。なるほどね。
とん、と置かれたエビアンのペットボトルとコップでお水をいただき、しばし待つ。水がペットボトルとは面白いし機能的だ。きっと海外の方にも安心だろうな。
来てみて初めて知った。赤坂うまやは三代目市川猿之助様がプロデュースされたそうだがここはJR九州ホテルが運営。お手洗いに行こうとするとホテルのお洒落なフロントが見えるフロアを通るのだが、美しいし、なんだかいい香りがするし。

グラスが逆さまに吊るされているだけでなんだかウキウキしてしまう単純な私。
お品書き。

新宿ブラッサルホテルを利用されている方はこの店で朝食ビュッフェを味わえるらしい。そういう訳か。そりゃ居心地がいいよね。
割と床がフラットだし広々としているのでベビーカーも入りやすいだろうし、なんならバリアフリーかもしれない。個室もあって予約もできるそうだ。おまけに喫煙所まで完備している。うーむ。全方位的便利さだ。店員様も皆様活気があって、優しい。

いよーおっ!
他のメニューも美味しそうだ。

ホテル併設の総合的お洒落空間といえば、以前来訪した赤羽ホリックホテル方式ですね。

あんなに小鉢があって盛り付けが大変そうなのにあっという間に料理が運ばれてきた。いやいやいや。仕込んでたでしょ大丈夫?と一瞬頭をよぎるが確かに!お弁当の親戚なのだもの、そりゃ事前にある程度仕込んでおけるよね。とはいえあたたかいものはアッツアツ!とは言わないがそれなりにあたたかく提供されている。
とにかく品数が圧巻だし、引きのアングルだとエビフライが長くて写真に収まりきらない。笑える。いやーなんとも贅沢だ。下世話だがこんなに器の数を使っていることが既に贅沢だ。洗ってくれる方ありがとう…。

これは楽しい。

順々に味わっていく事にする。
お味噌汁。岩海苔だ。風味が良いのと、なにより寒くてあたたかいものがほっとする。
サラダ。美味しい。安定の味。とり天。エビフライ。もちろんどちらもサクッとカラッとである。そして、タルタル。タルタルがあるのがいいー。
ほうれん草の胡麻和え、煮物。がんもどきもちゃんと美味しい。
アサリの佃煮ネギ添え。明太子。しらすとわかめの和物。そして漬物。うわー美味しい。アサリはしっかり味でご飯が進むー。対してシラスはそこまでの濃い味ではないけれどやっぱりご飯が進むー。明太子は言わずもがな。
嬉しかったのが茶碗蒸し。最近食べたいと思ってたんだよね。具は椎茸、蒲鉾、鶏肉。流石に銀杏は入ってないか。いやいやこのお値段でこの品揃え、文句を言ってはバチが当たってしまう。味はあっさり。そしてあたたかい。
茶碗蒸しといい煮物系といい、なんとなく椎茸の風味を全体的に感じる。猿之助さん椎茸好きだったのかな?
お値段相応、いや諸々のシチュエーションを考えたら充分それ以上。ありがとうございます。ゆっくりと、よくよく味わいながらご馳走になった。

珈琲も飲んじゃう。
デザート&ミネラルウォーター。

ついでに食後のコーヒーも。どうやら無料でテイクアウトはできるようだが、店内でもう少しゆっくりしたかったのでお願いした。
すると店員様が「お冷のお代わりお待ちしますか?」はい…。とお答えしたらエビアンがなんともう一本。えー!そんなサービスあるんですか。触れずにはいられない。200円払ってペットボトル1本もらった感じになったではないか。なんだかお得な気分。

コーヒーをいただきながら執筆にあたり少し勉強したところ、三代目 市川 猿之助(二代目 市川 猿翁)様は2023年9月13日にご逝去されたとの事。偶然にも最近だった。スーパー歌舞伎の生みの親だそうで、いやはや大変な方だったのですね。
充分に堪能したところでお会計を待つと、店内入り口に「スーパー歌舞伎ヤマトタケル」のポスターが貼ってあるもんだから。にわかもののくせに、しばし、感慨深く見つめてしまったのである。

美味しいお時間、ご馳走様でした!

赤坂うまや 新宿
東京都渋谷区代々木2-6-2 JR九州ホテルブラッサム新宿 1F
JR新宿駅南口 徒歩3分

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