第26食 念願叶う せんべろの聖地で味わう酒とつまみと人情と 鯉とうなぎのまるます家 総本店

赤羽

ようやく大きな山を、また一つ登り終えた。
やれやれ。思案構築、体調不良、長すぎても仕方がない休憩。回り道、旧友との再会、楽しい食事、失敗、成功、未来に向けての準備。
たった数ヶ月の中で様々な経験をしたものだ。
かく言うこのブログも回り道の最たるものだが、さてさて今後どうしたものか。

それはさておき。比較的自由に動けるのもあとほんのわずか。
貴重な時間をどう使おうか。ということで今回は言わずと知れた赤羽の名店にお世話になる事にした。
「まるます家」様は現在赤羽店、北赤羽店に店を構え、創業はなんと昭和25年。ということは今73歳か。すごい。
赤羽のせんべろ、やはり昼飲みならばこの店を避けては通れないでしょう。

行きたいな、いつか行ってみたいなと思いつつ。
自転車で、徒歩で、毎回。何度も何度も、店舗の前を通り過ぎてきたのである。もう何年も。

まるます家、forever……

徒歩だぞ飲むぞ。今日こそ行っちゃうんだぞ。赤羽に住んでる飲んべえのくせにこの店に行かないなんて絶対にもったいないんだぞきっと。
ちなみに候補として当然、いこい様も挙がったのだが、緊張しすぎて今回はまるます屋様へ赴くことにした。いつか行けますように。リンクを貼る所だけ作っておこう。→いこい

かなり気合を入れて店前に到着。
うわあ。相変わらず盛り上がっている。長蛇の列ならまた今度…とも言えるのだが、満席かつ列無しである。
あーあーあー。どうしよう。
何しろ店内は粋な酔客ばかりに違いない。いざとなるとやはり緊張する。

幸いなことに同行者が「行ってみたい!」と後押ししてくれた。
それでもどうしようか…と恐縮していると、店内からお姉さまが「ありがとうございます、少々お待ちくださいね。こちらにお並び下さい」と助け船。
あ、良かった。並んでもいいんだ。
初めましてありがとうございますずっと憧れてましたありがとうございますと心の中で呟きつつ、並ぶことにした。

待つ事わずか数分。入り口入って右奥の、カウンターの隅っこという何ともベストな席に案内していただいた。
ドリンク、料理共に短冊のメニューがずらり。楽しそうなお客もずらり。である。
うわー。これTVで観るやつだ。まるでドラマのエキストラになってセットに入り込んだような気分だ。

だってこの感じですよ!

それはともかくまずは飲み物。とりあえずビールをオーダー。
そしてあらためてじっくり短冊とにらめっこをする。
正直、憧れていたからと言って、飲みのルールやハズさないメニューを一から十までネットで調べ上げてきたわけでもない。
調べすぎるのもつまらなくなってしまいそうで、いつもほどほどに留めるようにしている。
とはいえ、川魚で有名な事位はもちろん存じ上げていたので、「鯉うま煮」と「鯉生刺」をお願いした。
それと「メンチかつ」。20分ほどかかるとの事だったが、なんのなんの。むしろ望むところである。

はじかみとパセリがまた良い。

鯉うま煮。ほー、こんな感じかあ。生姜の風味の効いた甘辛醤油味。いわゆる煮物ってやつですね。ほどよく味がしっかりしているので当然お酒にぴったりである。
それから鯉生刺。なんだかコリコリした食感だ。しかし鯉刺しと鯉あらいはどう違うのだろうか。次回頼んでみようか。
鯉は初めていただいたが、どちらも全然生臭くない。うん。美味しい。

鯉生刺~

あっという間にビールを飲み終え、次の一杯を思案。
隣のお客様がかっこよく飲んでいる「ジャン酎モヒート」が気になる。とにかく大きい。ジャンボ酎ハイにレモンとミントを入れて飲むらしい。
うーん。どうしようかな。少し日和って「ハイボール」をチョイス。炭酸水と共に登場してきた。面白い。

めっちゃペットボトル潔いおもろい

ちなみにドリンクは1名3杯までと決まっており、カウンターのお姉さまが1杯頼むごとにカウンター上にピックを載せていくシステムだった。
うんうん、これなら間違えないよね。なんだか可愛らしい。

カニミソが好きなのでオーダーするとなんと凍ったまま出てきた。「口の中で溶かしてくださいね~」との事。
言われるままにトライすると、うーんこれは新感覚。確かにカニミソだ。

チョコのような見た目で味カニミソそんな意外性がすき

揚げたてのジャンボメンチは文句なしの美味しさ。大きくて、アッツアツ。ぎっしりしていて食べ応えがある。
少しスパイシーな香りがする。それにソースをかけて食べるキャベツとハイボール。添えられたサルサソースもいい仕事をしている。
もう最高。もう一杯飲んじゃお。

はい進むやつ~

カウンターは各エリアごと数名のお姉さまがオーダーを取って下さり、カウンターの内にはこれまた数名の調理師さん。
誰かが頼んだメニューがまた他の誰かにオーダーされたり、かと思いきやもう完売だったり。
今回はいただかなかったが、お姉さまが「小松菜のおひたし」いかがですか?と各席回ってくれていた。また体に良さそうなメニューをチョイスして下さる事よ。心が和む。
お姉さまと常連さんがちょっとしたご挨拶を交わしているのも良い。端々に下町人情居酒屋店の心遣いを感じる。

もうこれは店内一体がエンターテイメントと言っても差し支えないのではないだろうか。

最後は季節ものの「ぬた」と悩みに悩んだ末、「新玉ねぎのフライ」をチョイス。
これまたアッツアツで登場。玉ねぎがシャキシャキとトロトロの中間位の食感になっている。そして甘い。美味しい。
合間につまむ、常温に戻ったカニミソがまた美味。

旬のもの

いやー楽しかった。ご馳走様でした。
お会計時にレジにいらっしゃるお姉さまが色分けされた札のようなものを見ながらお会計してくださるのも何だか昭和のムードを感じてほっこりしてしまった。

全メニューも載せておきます。たぬき豆腐も人気メニューらしいです。
反対側。ご飯があるので井之頭五郎さんも安心。

高度経済成長期、バブル期、そしてコロナ。様々な世相をずっと見てきたお店にお世話になれてとても感慨深かった。
こりゃ、次回はジャン酎モヒートを飲むしかないな。
そして。今は1階のみの営業をされていらっしゃるが。いつか2階の座敷席で、大切な人をもてなしながら鰻を味わいたいものだ。

美味しいお時間、ご馳走様でした!

鯉とうなぎのまるます家 総本店
東京都北区赤羽1-17-7

赤羽駅東口より徒歩3分
赤羽岩淵駅より徒歩6分

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